商品関連情報マネジメント

品ぞろえと売場作りにかかせない情報源!

  • Ch@nge担当
    アットチェンジ事業を担当し、「Ch@nge」の提案営業を推進。
  • Ch@nge開発担当リーダー
    商品データベースや関連システムの開発チームを率いる。
  • コンテンツマネジメント部長
    商品情報の登録やカテゴリーなどの属性付与まで、商品関連情報管理を担う。
  • 事業企画Gデジタルマーケティング担当マネージャー
    各事業、サービスのマーケティング支援を担当。

開発のきっかけは売場作りの悩みから

  • S.S.さん

    創業前、ドラッグストアの営業本部長を務めていた社長が、「どのように品ぞろえをし、どのように売場を作るべきか」を日々模索するなかで生まれた発想だと聞いています。お客様と商品を結びつけるのは「カテゴリー」や「ブランド」であり、それらが一定の基準で登録された商品データベースがあれば、MD(マーチャンダイジング)を効率化できると思いました。

  • H.S.さん

    創業前というと、ドラッグストア勃興期以前ですよね。当時はインターネットもナローバンドの時代で、メールを使っている人も限られ、多くの商品情報は「人が伝える」「紙の資料を渡す」ことでやり取りされていました。

  • S.S.さん

    はい。そういうこともあって、商品に関するすべての情報が一元管理された「アットチェンジデータベース」の開発を目指すことになったんです。

  • H.S.さん

    「アットチェンジデータベース」は、商品の基本情報以外に、属性情報やマーケティング情報なども提供していることが大きな特長ですが、サービス提供当初から、そういった方針だったんですか?

  • S.S.さん

    どちらかというと、「カテゴリー」「ブランド」「フラグ(用途、形状、嗜好等)」など、売場の切り口となる【属性情報】、パンフレットやカタログ、市場分析レポートなどの【マーケティング情報】などの付加情報を拡充していく想定でした。しかし、サービスをご利用いただいていたお取引先様から、「付加情報も必要だが、その前に基礎的な商品のスペック情報や画像のカバレッジを上げてほしい」といったご意見をいただき、基本情報も内製で整備・加工・登録することになりました。

データ登録・メンテナンスは緻密な作業

  • H.S.さん

    商品情報の登録・更新を日々行うことで適正な状態に維持したり、さらに【属性情報】を付与したりすることは、大変だと思いますが・・・。

  • S.S.さん

    そうですね。生活消費財は、商品のライフサイクルが短いものも多くて、毎月新商品やリニューアル品が多数発売されていますので、商品情報の「量」と「スピード」と「品質」をすべて良い状態に維持するのは大変難しいと感じています。ただ、これらすべての商品をいち早く把握し、ユーザーが使用したいときにすでにデータベースに商品情報や属性情報が登録されている状態を維持することが私たちの使命だと考え、日々データと向き合ってきました。

  • H.S.さん

    確かに、ドラッグストアで販売されている商品は、医薬品をはじめ、化粧品、日用雑貨、食品と多岐に渡っていますし、今後ますます幅が広がりそうです。

  • S.S.さん

    そのとおりです。バラエティに富んだ、あらゆるジャンルの商品を、一つのデータベースで管理するため、各ジャンルの商品すべてを共通ルールにあてはめることが難しいんです。商品には、剤形や形状、容器や包装、商品のカテゴリーといった属性情報があるのですが、属性の種類を検討、あるいは属性を定義したうえで、これをもとに商品ごとに属性を判断し、データを整備しています。属性をふっていく作業では、ニーズに合った選択や判断をするために、知見や経験に基づく商品知識やマーケティング知識が必要となります。しかも、データを整備するメンバー一人ひとりが共通認識をもってあたらなければならないため、マニュアルとして扱うデータベース項目の定義書は、100ページ以上にもなっています。この定義書を常にブラッシュアップし、トレンドや顧客ニーズに合わせてアップデートしながら、データの登録・メンテナンスを行っていきます。これを繰り返す作業はとても緻密で、根気がいるものだと感じています。

  • H.S.さん

    そういう緻密な作業が「アットチェンジデータベース」の信頼につながっているんですね。

  • S.S.さん

    おかげさまでブロードバンドの普及、デジタル化時代の到来に合わせて、「アットチェンジデータベース」を基盤とした商品検索・確認サイトは、多くのドラッグストア様の本部・店舗において、日々の業務の情報源としてご利用いただいております。最近では、ビッグデータを活用した店頭CRMに注力されている企業様に、「カテゴリー」「ブランド」などの【属性情報】を分析軸として、ご活用いただく機会が増えてきています。

サービスを理解する、客観的視点をもつ

  • H.S.さん

    取り扱い商材の幅が広がり、商品数が増えるなか、「検索」に関するお得意先様のご要望があがってくると思うのですが、たとえば膨大なデータのなかから商品を探し出すのに、ひとつは検索システムの高度化・スピード化が常に求められてきましたよね。システムエンジニアの立場からみて、ユーザーインターフェースの課題解決にはどうあたっているのですか?

  • Y.O.さん

    ユーザーの満足度を上げるためにも、開発者側がまずユーザーやサービスの理解を深めることが最重要事項だと考えています。常に念頭に置いているのは、快適に検索してもらうために、ユーザーの思考を止めさせないようにすることです。たとえば、検索対象が限定的な場合、検索画面の「企業名」は企業名を直接入力する方法と、選択肢から選ぶ(「あかさたな」で絞って企業名一覧を表示)方法の2種類を実装して、ユーザーが好きなほうで検索できるようにしています。このときファーストビューをあえて「選択肢から選ぶ」にしてあります。検索対象が限定的になることから選ぶ側に負担がなくなり、結果的に曖昧な検索を何度も行わなくて済む、この選択のほうが正確に素早く結果を求められると考えています。このように一つひとつ、ていねいに考え、改良を積み重ねてきました。

  • H.S.さん

    サービスの本質を理解したうえで、ユーザーの利用シーンを考えることで、一歩先の顧客満足につなげているというわけですね。

  • Y.O.さん

    はい。それと、もうひとつ気をつけているのは、客観的視点をもち続けるということです。必ず複数の選択肢を用意しておき、最終的にユーザー目線で判断できる方にジャッジしていただいています。

  • H.S.さん

    日頃の運用面で力を入れている点はあるんですか?

  • Y.O.さん

    そうですね。システムの開発や改修のほかにも、データベースから特定条件に適合する商品データを抽出するといった運用業務の支援など、さまざまな依頼があります。まず私が、内容を判別し、依頼者との齟齬がないかを確認したうえで、詳細な作業手順を書いた指示書を開発担当者に流すという運用の仕組みをとっています。これによって、依頼者とのコミュニケーション不足によるミスや漏れが削減でき、作業を効率化できた分は、依頼に対して、よりすみやかに対応できるようになったり、UI※1、UX※2に対する考察に時間を割いたりすることができます。

    ※1: UI(User Interface):ブラウザ上で表示されるフォント、画像、ボタンなどユーザーの目に触れる部分を指す

    ※2: UX(User Experience):ユーザーがある製品やシステムを使ったときに得られる経験や満足など全体を指す

取り巻く環境の変化に対応して、さらに進化する

  • H.S.さん

    「アットチェンジデータベース」は、「情報収集」「受付」「登録」「撮影」「画像加工」「属性付与」など、すべてが一つひとつの積み重ねで成り立っているんですね。取り扱い商材の拡大だけでなく、実店舗からネット通販へとチャネルが広がり、消費行動も変化しています。マーケティング戦略としてオムニチャネルを実施する企業様も増えていますよね。

  • S.S.さん

    はい。オムニチャネル戦略や健康サポート薬局の登場などにより、ドラッグストアを取り巻く環境が変わり始めています。すでに「アットチェンジデータベース」に求められることも変わってきていますから、今まで以上に商品データそのものの品質維持・向上や時代に合った付加情報の整備を図っていく必要があります。これまでに蓄積されたIT技術とヒューマンリソースの両方のノウハウを生かして、ネットパイロティングならではの実店舗をサポートするコンテンツを提供していきます。

  • H.S.さん

    具体的にはどのような形でサポートしていくんですか?

  • S.S.さん

    たとえば、ドラッグストアの売場をベースに考案した当社独自の新カテゴリー/フラグを商品に付与することで、店頭と同期が取れた陳列・販売分析が可能になったり、より精度の高い店頭CRMを実施したり、カテゴリーを横断して商品群からクロスMDを検討したりと、リアル店舗ならではの販促にお役立ていただきたいと考えています。

リアル店舗での買い物を楽しくする複合現実

  • H.S.さん

    リアル店舗を考えた場合、近い将来、画像識別技術の活用は欠かせないと思います。スマホやウェアラブル端末を利用したMR(複合現実)技術を組み合わせると、店舗での買い物はもっと楽しく充実したものになります。たとえば、ホログラムを利用すれば物理的な場所の制限がなくなるので、あらゆる表現方法を活用し、

    • 商品のトレーサビリティを可視化する
    • 生産者や開発者の生の声や想いを伝える
    • プロの使い方を教える

    といったコンテンツを店頭から届けることができるようになります。店頭にメーカー、小売、お客様がそれぞれの立場で楽しめる世界が待っているのではないかと思われます。

  • S.S.さん

    店頭は仮想現実で劇的に変わっていく可能性がありますね。そのときに、「アットチェンジデータベース」のマーケティング情報や商品関連画像が活用していただけるよう、これからも拡充していくつもりです。

  • H.S.さん

    MR技術は、1つの商品にたくさんの情報を紐付けることが可能なので、膨大な量の情報がそこに存在します。しかし、情報が多くなればなるほど欲しい情報だけを自分で取捨選択するということが、お客様にとっては非常に苦痛になります。ネットパイロティングには、小売の現場を知り尽くしたコンテンツ制作のノウハウがあります。また、現在、「アットチェンジデータベース」を活用した店頭CRMも展開しているのですが、このリコメンデーションのノウハウが、必ずや新しい世界の店頭に生きてくるものと思います。